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打撲、捻挫、ギックリ腰の初期の手当て

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桃李の会の講習会より

桃李の会の主催で初めて健康講習会が開かれて15年が経過しました。
最初の頃は、学校の講義方式で、一方的に情報を流していく方式でしたが、あまり成果はあがりませんでした。
そこで患者さんの体験談を発表してもらい、その体験談について参加者全員が質問をするという質魏応答方式に変えました。それが功を奏してか毎回好評です。
その質疑応答のポイントを、リーダーがまとめて、正しい答えを導いていくのです。
そのリーダーがまとめた話を今回は紹介していきましょう。

●ギックリ腰のとき、マッセージをして酷いことになりました。どうしてですか?
★マッサージは血行改善のためにする、日本古来の療法です。
1)急性腰痛症のギックリ腰の症状は、次のようになります。
イ)患部の毛細血管が破れる。
ロ)患部に動脈血が体熱を運んでくる。
ハ)患部が内出血を起こして熱を持ち、腫れている。
2)ギックリ腰になってすぐよりも数時間たってからピークになってくる。
■こんなときにマッサージをしてはいけません。絶対NG です。ますます悪化します。
数日して患部の熱が取れて、傷みもやわらいできたら「軽いマッサージ」はOKですが次のような注意が必要です。

●体内の血管の約90%は毛細血管です。この毛細血管を傷漬けないマッサージはどんな注意が必要でしょうか?
★この毛細血管の大きさは、髪の毛よりもはるかに細い血管です。撫ぜるような「軽いマッサージ」にしないと次のような逆効果が出ます。
1)こんな細い血管に強いマッサージや按摩をすると、毛細血管が押しつぶされて切れてしまいます。
2)常習的な強いマッサージは毛細血管をこわすばかりで、再生しなくなります。
3)血行改善をしようと、すればするほど、悪化させてしまうことになります。.
4) 上の状態が長く続くと,多量の血液を必要とする筋組織は、慢性的な血液循環の障害がおきて、筋肉細胞が壊死してしまいます。筋肉が筋張った硬い結合組織に変化していきます。

●腰が痛いとき冷やす方が良いのでしょうか、温めるのが良いのでしょうか?
★一般的には、打撲やギックリ腰や踝(クルブシ)の捻挫などは、患部の毛細血管が破れて内出血をおこし熱をもって腫れてきます。
1)ズキンズキンとか、ドクンドクンとした痛みが出ます。
2)少し動いても「ズキン」と痛みが走ります。
■こんなときは、まず「冷やすこと」が鉄則です。筋肉が収縮して、内出血の量が減ってきます。
テレビで野球観戦をしていると、選手がデッドボールを受けたりすると、トレーナーが真っ先に飛び出してきて「シュー」という感じでスプレイをしている光景を見られることあると思います。これは「コールドスプレー」で冷やしているのです。

●いつまで冷やすのですか、冷やすのを止めたら、次はどのようにケアをすれれば良いのでしょうか?
★ズキンズキンやドクンドクン感が無くなり痛みが消えてきたら冷やすのを止めます
1)冷やすのを止めて、2,3日はそのままにしておきます。炎症も収まり、傷口もふさがり、毛細血管もふさがってきます。
2)こ段階でよく失敗するのは冷やすのを止めて、直ぐに「温める」ことです。折角つながり始めた血管が急に温まると、また破れることがあります。だからすぐ温めるのは良くありません。
3)また続けて冷すのも良くありません。その理由は、損傷を受けた個所の修復には体内酵素が深く関わっています。しかし体内酵素は患部が基礎体温より高くても低くても十分な働きを発揮しません。だから温めも冷やしもしないのです。

●温めも冷やしもしないで、どれくらい経過すれば患部のケアを始めても良いのでしょうか?
★その時期は次のようにして判断します。
1)患部に手を置いてみて、周りと体温を比較してみてください。体温がほぼ同じであれば、炎症はほぼ収まっています。
2)炎症がおさまったら温めます。しかし体温よりうんと高いポケットカイロなどで温めてはいけません。 38℃から40℃までのぬるめのお湯で温めるのがベストです。
3)患部が38℃から40℃までの体温になると、体内酵素が良く働いて、患部周辺の炎症物質や老廃物をより早く吸収して腫れが引きます。

●自分の回復度が分からないときはどうすれば良いのでしょうか?
★温めるのも冷やすのも止めて自然体にしておきます。
1)温めも冷やしもしなければ、少なくともそのことで悪化することはありません。
2)または温めるか冷やすかのどちらかを試してみて、具合の良い方をしても良いのです。
3)温めたり冷やしたりしているときの感覚も大切ですが、自分の症状がやわらいできたかどうかで判断すればいいのです。

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まとめ

体の生理機能は体内酵素が司っています。その酵素は体温が高くても低くても機能を十分に発揮しません。
これから寒い季節に向かいますが、ポケットカイロなどで、1日中、温めることは良いことではありません。体外から加温するのではなく、半身浴や運動で体の芯から温てその体温を逃さないように保温すことが大切なポイントです。

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