膝が痛くて辛い!
変形性膝関節症の原因と対策を考える
体の骨格は20歳前後で完成し、その骨格は筋肉が支えています。
膝を折リ曲げる動作が出来るのは、膝の周りを、どんな骨格の変化にも適応する筋肉が支えているからです。
膝が痛くなる大きな原因はその筋肉が冷えて硬くなり膝の動きに対応できなくなるからです。
それ以外に膝が痛くなるのは、大腿骨〈太ももの骨〉や腓骨、脛骨(膝から足首までの骨)に骨折などの大きなダメージを受けると痛くなることがあります。
しかし大半の原因は、膝の周りを支えている筋肉のトラブルが原因です。
その筋肉のトラブルの原因と膝の痛みの対処法を考えてみましょう。
●どんな動きをしたときに膝が痛むのかで判断します。
★初期の膝の痛みは大きく分けて3つの種類があります。
1)朝寝床から起きあがるときに膝に痛みが出る。
2)階段の昇り降りのときや重い荷物を持って歩くときに膝に痛みが出る。
3)しゃがんでいて立ち上がろうとしたときや、正座をしようとして膝を大きく曲げたときに膝に痛みが出る。
●上の三種類の膝の痛みの原因を検証しましょう。
★筋肉が冷えて硬くなることと、筋肉の特性として環境に適応して縮むということから考えてみましょう。
1)就寝しているときは、寝返りをする以外は体を動かしません。膝の周りの筋肉が膝の形に適応して縮んでいます。その上筋肉が動かないので血流も少なく冷えて硬くなっています。その状態を急に次の動作に移ろうとするから痛みがでるのです。
2) イ)二十歳までに骨格と筋肉は完成します。だから二十歳の時の体重より大幅に体重がオーバーすると、膝の中の半月板〈ハンゲツバン〉に負担がかかり痛みが出ます。
ロ)大腿、膝、腓骨、脛骨、足首、足の甲や足の指などにダメージを受けると、膝の上部と下部の骨格が膝の処でうまくかみ合わなくなり膝に痛みが出ます。
イ)とロ)の場合、 体重をかけると出る痛みは、膝の関節がうまく噛み合っていないことが原因です。 外からみると膝は一つの膨らみですが、上(大腿骨・ダイタイコツ)と下(脛骨・ケイコツ)が半月板を挟んで噛み合う構造になっています。
※半月板とは膝の関節で、大腿骨と脛骨(ケイコツ)の間にある軟骨です。衝撃を吸収し、関節の動きをなめらかにする役目をしています。
3)膝を曲げていたリ、急に曲げようとすると、骨格の動きに筋肉がすぐには適応しません。筋肉は直前の状態に適応して縮んでいます。これが筋肉の特性で適応性短縮といいます。だから痛みがでるのです。
●膝の痛みは膝の関節周リの筋肉が硬くなり膝関節の動きが悪くなることと、関節がうまく噛み合わないのが主な原因です。
★その原因を取り除く方法を次に述べます。大腿部と脹脛〈フクラハギ〉の筋肉をほぐして、両膝に均等に体重がのるように修復することがポイントです。
イラスト「足(脚)の筋肉」を参照してください。
1)フラットな床に足(脚)を伸ばして座ります。
2)イラストの掌(手のひら)に黒く太い線を入れています。その部分を使って、大腿部(太もも)の上側を腰の付け根から膝まで押しながら揉みほぐしてください。次は外側、内側と順番に痛みがやわらぐまで揉みほぐしてください。左右の大腿部を同じようにします。
イラスト「ふくらはぎを揉む」を参照してください。
1)親指を内側に当てて他の指は外側に当て脹脛をつまみます。
2)最初は柔らかく段々ときつく揉み、痛みがやわらぐまで揉みほぐしてください。
大腿骨と脛骨の縦の位置関係がずれていて痛みがあるのですが、このケアを丁寧にすれば修復できます。
3)脹脛の筋肉の冷えは、運動不足と空調からの冷えが最大の原因です。
血液とリンパ液の流れが不完全になり益々冷えるという悪循環に陥ります。
●2)の膝を深く曲げるときにでる痛みについて考えてみましょう
この痛みの原因は体重をかけているときにおきる痛みの原因と 少し似ています。
★何が似ているかというと、筋肉のバランスが崩れていることです。
1)膝関節が曲がっていくと大腿部の上側の筋肉が突っ張って膝は曲がりにくくなります。
2)膝関節を取り巻いている筋肉が固くなっていて、膝の動きに滑らかさがなくなり 痛みが出てしまうのです。
まとめ:大腿部の筋肉と脹脛の筋肉をほぐすことが最大の解決策です。
もう一つは、膝を冷やさないことです。冷やさないという意味は、ポケットカイロなどで加温をすることではありません。外から体温より高い熱を加えると体内酵素の働きがにぶくなり、膝の修復がうまくいきません。サポーターなどで保温をしてください。