温めたほうが良い腰痛はどんな腰痛ですか
腰が痛いときには、誰でも温めたほうが良いのか、冷やすほうが良いのか迷うものです。
簡単にいえば「急性の腰痛は冷やす」「慢性の腰痛は温める」のです。
因みに急性の腰痛はどんなものがあるか、その例を挙げておきます。
例えば、
- スキーで転倒して腰を強打した腰の痛み
- 交通事故で腰を打撲した痛み
- くしゃみをした途端「グキッ」と腰に痛みが走った
- 前かがみの姿勢をした時に「ピシッ」と腰に痛みが走った
など、ギックリ腰が原因の腰痛の場合などがあります。
この様に急性の腰痛はありますが、ギックリ腰の場合はまず冷やすのです。
暖めてはいけません。
ここでは、冷す腰痛のことはまたの機会に譲り、温めたほうが良い腰痛を考えてみたいと思います。
温めたほうがよい腰痛の症状
温めたほうがよい腰痛の症状を挙げます。
「冷え」からくる腰痛は温めます。
患部と、周辺の体温を比較してみましょう。
自分の掌で患部とその周辺を触ってみてください。
患部が冷たいときは、患部の血行不良からくる、いわゆる「冷え」の腰痛です。
- 朝起き上がるとき痛くても、起き出して動き出すと痛みがやわらいでくるような腰痛があります。
寝ている間、体を動かしていないので、筋肉が縮んで硬くなり血行不良になっているのです。 - 長時間、立っていたり、座っていたりすると痛くなってくる腰痛があります。
それは筋肉の疲労からくる筋力低下のために姿勢を保つ持久力が低下しているのです。
筋肉が緊張しっぱなしで縮み硬くなり、血行不良になっているのです。
筋力低下と冷えが原因です。 - いつも、にぶいと鈍痛とか、だるい感じの腰痛がります。
これは慢性的な腰痛を示唆しています。患部周辺の筋肉の動きが悪くなって血行不良になっているのです。
これは運動不足と冷えが原因です。
正しい温め方は?
次は正しい温め方を考えてみましょう。
急激に暖めると、体が温かくなり過ぎて、自律神経が働いて逆に体温を下げる方向に働きます。
熱いお湯につかった後「湯冷め」をしやすのはこのためです。
- 理想的な温め方は「半身浴」がお勧めです。
38℃から40℃までのぬるめのお湯に入ります。鳩尾(ミゾオチ)から下の半身だけお湯につかります。ジワーと汗がにじみ出るまで20分から30分は入っておきます。 - さらに体を芯から温めようと思えば、湯船に一握りの塩を入れます。
市販の「温泉の素」を入れても良いのです。 - お風呂に入れない人は、蒟蒻(コン二ャク)を弱火で長時間温めて、蒸しタオルに包んで患部を温めるのも良い方法です。
温める方法は二通りあります。
温める方法は体の外から加温して温める方法と、体温を逃さないようにする保温の方法の二通りがあります。
ポケット・カイロなどで体の外から加温をするのは、間違えた温め方をすると、却って患部を冷やす場合があります。
人間は恒温胴部ですから、人の体は最も活動しやすいように一定の体温を保っているのです。
体温より高い温度を体の外から加温すると体の本来の働きが低下します。
だからサウナから出て冷水でクールダウンするのです。
その理由は、体全体の生理現象は体内酵素の働きによるものです。
だが酵素は体温以外の温度では、温度が高くても低くても生理反応をしなくなり、体の全ての機能が低下して体の働きが不調になるのです。
ポケット・カイロなどを患部に長時間当てていると「低温火傷(ヤケド)」をする危険性もあります。
また患部が体温より高くなるので、その患部の周辺に冷たい空気が流れてきて却って患部を冷やすことになります。
体を温めるベストな方法は「保温」
体を温めるベストな方法は「保温」です。
体の外からの加温ではありません。
体温を逃さないようにする工夫は次のようなことを実行してください。
- 下半身の服装を工夫して次のようにします。
春は冬衣装のままで過ごして、夏は季節を先取りして秋の衣装にします。 - 腰に晒(サラシ)を巻くか、腹巻をします。
空調の効いた部屋では、天然素材のハイソックスを履きます。
まとめ
東洋医学では「体の冷えは万病の元」といいます。
ベストな基礎体温は36,5℃といわれています。
しかし下半身をサ-モ・グラフィーで測ると下半身は32℃くらいしかありません。
腰痛のときだけではなく、下半身浴は健康維持にはベストな入浴法です。
体の外から加温するのではなく、体温を逃さないように心掛けて下さい。