毎日の生活習慣が腰痛予備軍を生んでいる

毎日の生活習慣が腰痛予備軍を生んでいると知っていますか?
最近、ギックリ腰で受診される家庭の主婦の人が多くなりました。
世間の常識ではギックリ腰は重いものを持ち運びした時や、不用意な姿勢をして荷物を持った時におこり、それだけが原因だと思いがちです。
ところが患者さんの問診表を調べてみると、ごく普通の主婦の人で、特別重いものを持ち運んでギックリ腰になったのは少数なのです。
例えば、
床に落ちたものを拾おうとして前屈みなった途端「ギクッ」となった。
浴槽を洗うとき前屈みになった途端「ギクッ」となったと言います。
また庭の草取りをしているとき、急に立ち上がって「ギクッ」となった。
などがあげられます。
一様に「なんでこんな些細なことでギックリ腰になるのか」と不思議に思われています。
当人にすればなんでこんな些細な動きで、こんなに酷いことになるのかと思われるでしょうが、そうなるにはそこまでに至る毎日の生活習慣に原因が潜んでいるのです。
ここでは家庭の主婦の生活を検証して、ギックリ腰の原因を考えてみたいと思います。
ギックリ腰の予備軍にならないためには?
●主婦の人がギックリ腰の予備軍にならないために、台所で働くときの正しい姿勢を提案します。
★毎日、二度三度と台所に立ちます。
そのときの働く姿勢が正しくないとギックリ腰の予備軍になります。
1、あなたは右利きですか。右手を使っている時、足は右足が左足より目に出ていませんか。
または両脚が揃ってはいませんか。どちらもNGです。
試しに、右手と右足を同時に前に出して作業をしてみてください。
姿勢が安定しません。一番安定しないのは両足を揃えて作業をしたときです。
2、正しい姿勢は右手を使うときは左足を、右足より前に踏み出して下さい。
決して両脚は揃えないでください。
3、夏はスカートで台所に立っていませんか。
暑いときだから、冷えないと思い勝ちですが、台所はガスや電熱を使います。
温まった空気は換気扇で室外に出ていき、冷たい空気が足元に流れてきます。
空調の効いた部屋では特に足元が冷えます。
足の脹脛(ふくらはぎ)が冷えると腰痛予備軍の原因になります。
4、両足を揃えて、床のものを拾うときなどは不用意にする姿勢ですが、そのとき1回ではギックリ腰になならなくても、度重なると、必ず腰痛予備軍になります。
意識して(2)の正しい姿勢で作業をしてください。
5、下半身の服装はスカートではなくズボンを履き、ソックスは天然素材のハイソックスにしましょう。
スリッパも必ず履いてください。足(脚)の冷えは必ずギックリ腰の原因になります。
急に立ち上がるとギックリ腰になる原因は?
庭の草取りの途中で、急に立ち上がるとギックリ腰になることがあります。その原因を考えてみましょう。
筋肉には「適応性(てきおうせい)短縮(たんしゅく)」という特性があります。
しゃがんで草取りをしているときは筋肉もしゃがんだ形になっています。
その上、太ももが膝から下を圧迫しています。
すると足(脚)全体の血行が悪くなり、足(脚)の筋肉は冷えて硬くなっています。
1、そのような状態のとき急に立ち上がって姿勢を変えると、腰や足(脚)の筋肉は立ち上がる姿勢には急には適応できません。
それが原因で腰や下肢に無理がかかりギックリ腰になるのです。
2、室内や和室で、座って仕事をしているとも腰や足(脚)の筋肉は(1)と同じ状態になっています。
3、(1)も(2)も急に姿勢を変えると、最悪のときはギックリ腰になります。
それを防ぐ方法を紹介します。
それを防ぐ方法を紹介します。
至極簡単な方法です。実行してみてください。
★イラスト「足の長さを揃える」を参照してください。
イラストは寝たまましていますが、腰を下ろして座ってしても同じ効果があります。
1、フラットな床に両脚を伸ばして寝るか座ります。
2、片膝を立てます。
息を吐き出しながら、ゆっくりと足を伸ばしていきます。
そのとき足の裏が床から成るべく離れないように伸ばします。
足の裏が床から離れそうになったら、足に少し力を入れて「ポン」と蹴って伸ばして下さい。
片足を5回位繰り返してください。
それから立ち上がると腰に負担がかかりません。
まとめ
どんな病気でも、ある日、突然発病することはありません。
体の外から入ってくるO-157や流行性感冒(りゅうこうかんぼう)でも全員が罹病(りびょう)するわけではありません。(罹病とは=感染すること)
体のどこかに不具合があるときに罹病するわけです。
ギックリ腰でも、日頃の働く姿勢に不自然なところが動きがあれば、それが原因で腰痛予備軍になり、不自然な姿勢になった時、ギックリ腰に襲われるのです。
毎日の働く姿勢を見直して健康な毎日を送ってください。