恐ろしい冷胃症「冷えは万病の元」
恐ろしい冷胃症 冷えは万病の元
東洋医学では「冷えは万病の元」と言います。
頭寒足熱が健康の条件の一つです。
ところが日常生活では頭寒足熱ではなく、その真逆の状態になっています。
例えば空調の効いた部屋の室温を考えてみましょう。
お風呂の沸き方でよくわかると思いますが、上は熱くても底は冷たい状態になっています。
空調の効いた部屋も例外ではなく、部屋の天井近くは熱い空気が滞留していて、足元の床に近い処は冷たい空気が停留しています。
今回はこの冷たい空気が「腹部を冷やす健康障害」になっていることについて考えてみたいと思います。
最初にあなたの体温を測ってみてください。
▲手もとにサーモグラフィ(体温の分布を見る装置)で患者さんの体温を測定した資料があります。例外なく上半身の体温は下半身より高くて37℃前後になっていすが、下半身は逆に低くなっています。特に足元は32℃以下になっていることが確かめられます。健康体の人は36・5℃から37℃です。このことからみると多くの人が「冷え」の状態にあるといえます。
上半身と下半身の体温差は何が原因なのでしょう?
序文で空調の問題は書きましたのでここでは省きます。
1)足首の捻挫、腓骨、脛骨の骨折、大腿骨の骨折や大腿筋、脹脛(フクラハギ)などの筋肉がダメージを受けると下半身の運動神経筋が「縮み」ます。
2)運動神経筋が「縮む」と「球」が出来ます
3)運動神経筋が「球」になると、その周辺の血管を圧迫して血液の循環が悪くなります。
4)1)から3)までの結果、心臓から遠い下半身、特に足(脚)に血液が届きにくくなり冷えます。
5)4)の結果、全身に網羅している全ての運動神経筋が縮んで「球」になります。
加齢とともに身長が低くなるのはこのためです
6)当然の結果として全身の血液循環が悪くなり、低体温症になります。
腹部が冷えて、胃も冷やされて「冷胃症」になります。
人間にはその人の体重の約十一分の一の重さの血液が全身を循環しています。
その血液が体のすみずみまで循環して一定の体温を保っているのです。
初診の人は必ず、下半身と腹部は触診をします。
1)腹部が冷たいと「胃」が冷たい胃下垂気味になっています。
2胃下垂になると消化能力が悪くなり、大腸・小腸などに負担が掛かります。
胃や腸が不調になると、なんとなく体の調子が悪という、いわゆる不定愁訴を訴えるようになります。
「食が血になり肉になる」といいますが、食べ物を血液にかえるために一番最初の関わるのが「胃」です。
1)血液が全ての細胞の「母細胞」です。
2)それは次のことから理解していただきたいと思います。
※寝たきりの病人には「床擦れ」が出来やすくなります。これは体の同じ部位が寝床と接触し、圧迫されて血液の流れが悪くなるからです。介助の人が適切に寝がえりをさせてあげるか、寝床と接触している部位をマッサージしてあげないとその部位が壊死します。そのまま進行すると壊疽となります。
冷胃症と大腸・小腸を修復する方法を紹介します。
イラスト「按腹法」を参照してください。
1)フラットな床に仰向けに寝ます。つま先は揃えて膝を直角に立てます。
2)腹部は肌着一枚になります。
3)お腹に触れる前に両手を揉んで温かくしておきます。
3)両手を重ねて鳩尾(ミゾオチ)からお臍の下まで、軽く押さえながらマッサージをします。
4)お臍の下から時計回りに、肋骨(アバラㇹネ)に触れないように、「の」の字を書くように軽く押さえながらマッサージをします。
5)最低10周は繰り返してください。
下肢に受けたダメージを修復する方法を次に述べます。
下肢に受けたダメージを修復する方法はどのような方法ですか?
毎日の入浴法を次のように変えてください。
1)シャワーだけで済ますのは即、止めてください。
2)お湯の温度を40度前後のぬるめの温度にしてください。
3)鳩尾(ミゾオチ)から下だけお湯に浸かる半身浴にしてください。
4)両手は浴槽の縁にカけておき、お湯に浸けないでください
5)入浴時間は20分から30分です。
この入浴法を習慣にしてください。老化は足(脚)からと言われています。「足熱」の原則には細心の注意を払って守ってください。
まとめ
雷が鳴ると、子供に雷さんがお臍を取りに来るよといって腹巻をするのはお腹を冷やさないためです。夕立が降ると、急に涼しくなりお腹が冷えるので腹巻をしてお腹を冷やさないようにするためです。無粋だと思わないで就寝の間だけでも腹巻をしてください。